2022/05/22 11:06

こんにちは。


SUPの1番人気はおはぎ!なんですが

(おはぎストーリーはまた今度紹介します)


最近ジワジワと人気がある、パウンドケーキについて今回はご紹介したいなと。



現在パウンドケーキはプレーン、抹茶、和紅茶といちご、MIXナッツ、ゆずの5種類なんですが、ここに至るまで沢山の試行錯誤がありまして。


①パティシエって誰?

オープン当初はスタッフの誰一人お菓子作りなんてハードルの高いものでした。製菓学校卒のスタッフなどおらず、趣味でお菓子作りをしたことがあっても、商品としてのクオリティなんて恐れ多いほどでした。パティシエの技術はYouTubeで盗み、滑らかさは感覚で近づけていくなど。本当にそれはそれで面白かったんですが。笑


②福祉作業所としての問題

さらに問題は、スタッフ問題に加え、SUPは就労支援継続B型作業所としての役割があります。

就労支援継続B型作業所=障がいのある方が、一般企業に就職することに対して不安があったり、就職することが困難な場合に、雇用契約を結ばずに就労訓練を行うことができる事業所及びサービスです。それぞれのペースで作業できることが特徴で身だしなみや、挨拶、接客、調理、雑務、清掃などをSUPで学びながら、就職をめざしています。

そして問題は、障がいをもった利用者さんに作業の一つとして作ってもらうことが目的となることでした。利用者さんにとっては、目分量なんて難しくて苦手だし、その日の気分でやる気も集中力もバラバラ。材料の分量も量ってはいるものの、ボーッとしていて目標のメモリを行ったり来たりの状況。


こんな中、話し合いを重ね、試作を作りながら、お客さんからの指摘を受けながら。徐々に軌道修正させていく日々でした。昨日は膨らんだのに、今日は膨まないといったことも、何故そうなるのかを常に確かめる繰り返しでした。


まずスタッフの問題解決として、一度会社のつながりで製菓学校へ見学と調理実習をさせてもらえる機会をいただき、パウンドケーキをちゃんと習いました。なぜこの材料を使うのか、混ぜ方や焼き方などを吸収しました。持ち帰ってからは復習しながら自分たちなりのアイデアでアレンジを加えていきました。味も組み合わせのルールなど知らないので「これとこれ美味しそうよな。」という何気ない会話からどんどん作って調整していきました。例えばゆずは知り合いから沢山のゆずをいただき、パウンドケーキに強引に混ぜたら美味しかったとか。何もルールを知らないからこそ、いろんなことを試しながら成長することができました。


作業所の問題としては、すべての工程を文字におこし、曖昧な表現(大さじ2くらい、約2杯とか)は省いていきました。漢字にはすべてふりがなをつけたり、混ぜる時間も”艶が出るまで”とかではなく、”3分混ぜる”といった表現にすることで、タイマーを持って作業することができました。もちろんやってくうちに、利用者さんも自分流のやりやすい形を生み出していきました。いまでは、「今日は、このプレーンのパウンドケーキお願いします。」と伝えると、すべて自分で準備し、オーブンに入れる直前まで一人ですることができるようになりました。


完成後は、翌日にカット、袋つめをしてシール貼りも作業としてみんなでやっています。

すべての工程を自分たちでやることで、売れた時も喜びが大きく、また次の作成のモチベーションになります。

週末は多くのお客様にご来店いただき、棚のパウンドケーキがすっからかんになったのを見て、驚きとともに、「また月曜日からパウンドケーキ作りかあ。」って漏らす利用者さんもいますが、そんな1週間を送るのがいまやルーティンかなと思います。




この想いでとストーリーが詰まったパウンドケーキをSUPに来ることができない遠方のお客様にもお届けしたいということで今回ショップにも販売することとなりました。またチェックして見てください。